このたび、2020年5月1日付けで札幌医科大学総合診療医学講座教授ならびに、臨床研修医師キャリア支援センター長を拝命いたしました。このような機会をいただき、大変光栄であると同時に責任の重さと痛感しております。
今まで私は、臨床、基礎、教育、大学組織改革と本当にいろいろなことを経験して来ました。こうした経験は私にとってはバラバラのものではありません。この度、札幌医科大学にて今までの多様な経験を有機的につなぎ合わせ、しっかりと札幌/北海道の皆様に貢献できるよう、全力を尽くす所存です。
さて、今回のCOVID-19は、“Localize“の意味を世間に問うたと思います。このPandemicが落ち着いた後もリスク管理の観点から、人的交流はある程度Localizeされるのではと思います。一方で、それを可能とするICTといった技術は進歩し、Virtualな世界での人的交流は解放されGlobalismが加速するでしょう。つまり、Virtualな世界が軸となり、人の移動の必要性が整理されるように思います。このParadaigm Shiftは、都市やへき地といった”地域”で総合的に活動する我々にとって大変重要な意味を持つと思います。
他方、医療は全てをVirtualで進めるには限界があり、我々総合診療医にとって、地域での保健行政や企業活動の拠点や居住地域としてその地域が選択されるかどうかに影響する“実世界のインフラ”としての意味も大きくなります。ですので、これからの総合診療医は、その地域の発展に今まで以上に貢献することを求められると思います。こうした街づくりに参加できる人材も併せて養成していきたいと考えています。
最後に、昨今の医学教育を取り巻く環境の変化は著しいですが、一方で、本当に大事なことは変わっていないと思います。今まで私が色々な御縁でいただいた医学的な経験や教育、情熱を、次の世代に少しでも伝えていくことが私の使命です。
みなさん、今後ともよろしくお願い申し上げます!